2020.07.08
頭皮がベタ付く
脂漏性皮膚炎(脱毛症)の原因と対策
大量の皮脂で頭皮環境が悪化し、抜け毛が増える
脂漏性皮膚炎(脱毛症)の症状としてまず挙げられるのが、髪や頭皮が皮脂でベタ付くことです。洗ってもすぐに皮脂が分泌されベタ付きを覚えることで、症状に気が付く人が多いです。
皮脂の過剰分泌に伴い、頭皮にニキビができたり大きなフケが発生したり、湿疹、かさぶた、赤みやかゆみ、といった炎症が出る場合もあります。また、こうした頭皮環境の悪化により抜け毛が増えることもあります。
ホルモンバランスが崩れ、皮脂の分泌過剰につながる
脂漏性皮膚炎(脱毛症)の原因と思われるのが、皮脂の過剰な分泌です。元々頭皮には、皮脂をエサとする「マラセチア菌」という常在菌が存在しています。皮脂をマラセチア菌が分解することでできた物質により、頭皮はあらゆるな刺激から保護されています。しかし、皮脂が過剰分泌されることでマラセチア菌が異常発生し、頭皮に余計な刺激を与えてしまいます。これが炎症を引き起こす要因となります。
では、なぜ皮脂が過剰分泌されるのでしょうか。第一に考えられるのが、不摂生な生活です。例えば、インスタント食品や揚げ物など油っぽい物を多くとる食生活や、アルコールの過剰摂取や喫煙が挙げられます。特に、普段から高カロリーで偏った食事をとりがちな肥満体質の人は、皮脂量が多くなる傾向があります。その他に、ストレスや睡眠不足によりホルモンバランスが乱れ、それが皮脂の過剰な分泌につながっている可能性があります。
そして、もうひとつ考えられるのが、皮脂の洗い残しです。シャンプーが不十分だったり、洗う頻度が少なかったりすることで、頭皮に皮脂が多く残った状態が常態化し、マラセチア菌の異常な繁殖を招いてしまうのです。こうして、皮脂の分泌が多くなりすぎることで、頭皮に炎症が起こったり、脂分が毛穴に詰まったりして、髪の毛が抜けやすい状態となります。年齢による脱毛症とは異なりますので、脂漏性皮膚炎を解消すれば脱毛症も治まりますが、できるだけ毛根が細くならないうちに早めに対策をとりましょう。
この機会に生活習慣と洗髪を一度見直そう
脂漏性皮膚炎(脱毛症)を改善するにはどうすればいいのでしょうか?改善策としては、以下の3つが挙げられます。
- 生活習慣の改善
- 日々の食事内容を見直してみましょう。ラーメンや焼き肉、揚げ物といった高脂質・高カロリーの食事はほどほどにして、バランスのとれた食生活を心掛けましょう。カフェインや香辛料、糖分など、肌の刺激となる物は意識してとりすぎないようにし、皮脂を調節する働きがあるビタミンB2が多く含まれるレバーや牛乳、抗炎症作用のあるビタミンや食物繊維を含む野菜・海藻類をたくさんとるようにしましょう。
- 洗髪の仕方を変える
- 洗髪の仕方を見直すのも効果的です。皮脂の過剰な分泌が原因とはいえ、洗浄力が強いシャンプーで皮脂を洗い落とせばいいというわけではありません。強すぎる洗浄は、頭皮に必要な常在菌まで洗い流されてしまい、かえって大量の皮脂を発生させてしまうこともあるのです。地肌への刺激がやさしいアミノ酸系シャンプーなどを使い、しっかり泡立ててから指の腹で優しく洗い、十分にすすいでください。
- クリニックに相談する
- 生活習慣を変えるのは、他の病気を予防することにもつながりますし、長い目で見れば素晴らしいことです。しかし、生活習慣を変えたからといって症状が改善するスピードは比較的緩やかです。薄毛が気になっている方は、生活習慣の改善と並行して、皮膚科または脱毛症専門のクリニックに一度相談してみましょう。脂漏性皮膚炎の薬物療法は、抗真菌薬でマラセチア菌の増殖を抑え、抗炎症剤で皮膚の炎症を抑えるというのが一般的な方法です。
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